変形性腰椎症による腰下肢痛はSMPか?

変形性腰椎症あるいは腰部脊柱管狭窄症による腰下肢痛は頻繁に遭遇する痛みであるが, 疼痛コントロールに難渋する場合もある. また高齢者に多くみられるため, 積極的な治療が困難であったり敬遠されることもあり, 意外になおざりにされがちな痛みと思われる. この痛みの治療として, まず消炎鎮痛剤や筋弛緩薬などの薬物投与, 理学療法を行うが, これらにて疼痛コントロールが難しい場合にペインクリニックへ依頼されるケースが多い. したがってペインクリニックでの治療はブロック療法が中心となり, 硬膜外ブロック, 神経根ブロック, 椎間関節ブロック, 椎間板ブロックなどが行われるが, 難治の場合は除圧目的で各種...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inPAIN RESEARCH Vol. 15; no. 2; pp. 53 - 56
Main Authors 高橋, 秀則, 松下, 聡, 南部, 隆, 高田, 真二, 柳田, 尚, 森田, 茂穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本疼痛学会 31.07.2000
日本疼痛学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:変形性腰椎症あるいは腰部脊柱管狭窄症による腰下肢痛は頻繁に遭遇する痛みであるが, 疼痛コントロールに難渋する場合もある. また高齢者に多くみられるため, 積極的な治療が困難であったり敬遠されることもあり, 意外になおざりにされがちな痛みと思われる. この痛みの治療として, まず消炎鎮痛剤や筋弛緩薬などの薬物投与, 理学療法を行うが, これらにて疼痛コントロールが難しい場合にペインクリニックへ依頼されるケースが多い. したがってペインクリニックでの治療はブロック療法が中心となり, 硬膜外ブロック, 神経根ブロック, 椎間関節ブロック, 椎間板ブロックなどが行われるが, 難治の場合は除圧目的で各種の手術療法が考慮される. 特に馬尾症候群を伴うものは, 保存的治療では疼痛コントロールが難しいとされている1). しかし, 手術療法で疼痛が緩和しなかったり, かえって増悪する症例もあり, 特に高齢者ではADLも考慮に入れて慎重に適応を選ばざるを得ない.
ISSN:0915-8588
2187-4697
DOI:10.11154/pain.15.53