食道潰瘍を契機に診断されたクローン病の1例
「はじめに」 Crohn病(CD)における上部消化管病変のうち, 食道病変は頻度が低く稀である. 今回, 我々は食道潰瘍を契機に診断に至ったCDの1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:30歳, 男性. 主訴:前胸部痛, 下腹部痛. 既往歴:特記事項なし. 嗜好歴:喫煙5本/日×10年間, 機会飲酒. 現病歴:前胸部痛を主訴に当科受診し, 原因精査目的に上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行したところ, 中部食道に縦走傾向のある下掘れ潰瘍を認め, 同部のルゴール染色では不染帯となった. 生検では悪性所見や非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の形成は認めず, 非特異的な慢性炎症所見のみであった. 原因不...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 87; no. 1; pp. 92 - 93 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
12.12.2015
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.87.1_92 |
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Summary: | 「はじめに」 Crohn病(CD)における上部消化管病変のうち, 食道病変は頻度が低く稀である. 今回, 我々は食道潰瘍を契機に診断に至ったCDの1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:30歳, 男性. 主訴:前胸部痛, 下腹部痛. 既往歴:特記事項なし. 嗜好歴:喫煙5本/日×10年間, 機会飲酒. 現病歴:前胸部痛を主訴に当科受診し, 原因精査目的に上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行したところ, 中部食道に縦走傾向のある下掘れ潰瘍を認め, 同部のルゴール染色では不染帯となった. 生検では悪性所見や非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の形成は認めず, 非特異的な慢性炎症所見のみであった. 原因不明の食道潰瘍と診断し, 粘膜保護薬, proton pump inhibitor (PPI)の内服を開始したところ, 症状は軽快し, 1カ月後のEGDでは潰瘍は瘢痕化していた. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.87.1_92 |