異時性多発結腸癌にmicrosatellite instability陽性多発胃癌が併存した1例
「症例」患者:60歳, 女性. 主訴:なし. 既往歴:平成2年, S状結腸癌, S状結腸切除術. 平成8年, 下行結腸癌, 拡大左半結腸切除術. 平成9年, 上行結腸癌, 内視鏡的粘膜切除. 家族歴:父・胃癌. 現病歴:平成12年6月大腸内視鏡にて肛門縁から4cm, 吻合部に隆起性病変を認めたため手術目的にて入院となった. 入院時身体所見:特記事項無し. 直腸診:肛門縁より4cm, 吻合部の肛門側, 5時方向に径1cmの隆起性病変を触知した. 血液生化学検査:WBC 2,900/μl, Plt 115,000/μl, TP 6.0g/dl, Alb 3.6g/dlと軽度低下, T-Bil 1....
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 59; no. 2; pp. 84 - 85 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2001
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.59.2_84 |
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Summary: | 「症例」患者:60歳, 女性. 主訴:なし. 既往歴:平成2年, S状結腸癌, S状結腸切除術. 平成8年, 下行結腸癌, 拡大左半結腸切除術. 平成9年, 上行結腸癌, 内視鏡的粘膜切除. 家族歴:父・胃癌. 現病歴:平成12年6月大腸内視鏡にて肛門縁から4cm, 吻合部に隆起性病変を認めたため手術目的にて入院となった. 入院時身体所見:特記事項無し. 直腸診:肛門縁より4cm, 吻合部の肛門側, 5時方向に径1cmの隆起性病変を触知した. 血液生化学検査:WBC 2,900/μl, Plt 115,000/μl, TP 6.0g/dl, Alb 3.6g/dlと軽度低下, T-Bil 1.1mg/dlと軽度上昇を認めた. 腫瘍マーカー:CEA 3.8ng/ml, CA19-9 69.8U/mlと上昇を認めた(Table 1). 大腸内視鏡検査:肛門縁から4cmにIIa病変を認め, 生検にて高~中分化型腺癌であった(Fig.1). 術前胃内視鏡検査:体下部大彎にIIa, 前庭部小彎に陥凹性病変を認め, 生検にて体下部大彎IIaより高~中分化型腺癌を認めた(Color 1, Fig.2). CT, MRI, 腹部超音波:他臓器転移, リンパ節腫脹は認めなかった. 以上より早期胃癌, 再発結腸癌の診断にて平成12年7月24日, 幽門側胃切除, 超低位前方切除術を施行した. 手術所見はM, IIa, T1(m), N1, H0, P0, CYX, M0であった. 切除標本:病変は体下部大彎にIIa, 前庭部小彎にIIc, 幽門輪直前にIIcの3病変であった. 術前の生検にて癌を確認したのは体下部大彎のIIaである(Color 2). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.59.2_84 |