急性低音障害型感音難聴の重症度分類

急性低音障害型感音難聴 (ALHL) を純音聴力検査の125, 250, 500Hz (LT3) の聴力レベルを用いてgrade 1-4の4つの重症度に分類する案を提唱した。 その結果, grade 1-2 (軽度) が予後良好なのに対し, grade 3-4 (高度) は聴力予後良好例から不良例まで幅広く含まれることが明らかとなった。 grade 3-4症例では聴力悪化反復例の予後は単発例よりも良好であった。 grade 3-4症例内でのこうした聴力予後の多様性は, 一部症例での不可逆的変化などALHLの病態の多様性を示唆するものと考えられた。 以上の結果より, 今回の重症度分類案はALHL...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 45; no. 2; pp. 144 - 148
Main Authors 志津木, 健, 小川, 郁, 井上, 泰宏, 泰地, 秀信, 神崎, 仁
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2002
日本聴覚医学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:急性低音障害型感音難聴 (ALHL) を純音聴力検査の125, 250, 500Hz (LT3) の聴力レベルを用いてgrade 1-4の4つの重症度に分類する案を提唱した。 その結果, grade 1-2 (軽度) が予後良好なのに対し, grade 3-4 (高度) は聴力予後良好例から不良例まで幅広く含まれることが明らかとなった。 grade 3-4症例では聴力悪化反復例の予後は単発例よりも良好であった。 grade 3-4症例内でのこうした聴力予後の多様性は, 一部症例での不可逆的変化などALHLの病態の多様性を示唆するものと考えられた。 以上の結果より, 今回の重症度分類案はALHLの予後および病態の予測に貢献すると思われた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.45.144