口唇裂・口蓋裂の専門医療機関における母親への看護実践の質的分析 : 看護師によるアセスメントとアプローチ

本研究では,CLPの子どもの治療の専門医療機関の看護師11名を対象とした面接調査から,CLPの子どもをもつ母親に対するアセスメントおよびアプローチを明らかにするために質的分析を行った。その結果,母親の3つの心理状態に大別され,4アセスメントと5アプローチが抽出された。『母親が心を閉ざした状態』では,《子どもの母親の心情の理解》,《母親の心理状態のアセスメント》の2のアセスメントと《心を閉ざしている母親へのアプローチ》が含まれた。『母親が看護師の援助を受け入れ可能な状態』では,《母親の変化のアセスメント》と《子どもと母親のニーズに応じたアプローチ》,《子どもや母親と看護師との信頼関係の構築》,《...

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Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 24; no. 1; pp. 8 - 16
Main Authors 藤原, 千惠子, 柴, 枝理子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 2015
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ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.24.1_8

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Summary:本研究では,CLPの子どもの治療の専門医療機関の看護師11名を対象とした面接調査から,CLPの子どもをもつ母親に対するアセスメントおよびアプローチを明らかにするために質的分析を行った。その結果,母親の3つの心理状態に大別され,4アセスメントと5アプローチが抽出された。『母親が心を閉ざした状態』では,《子どもの母親の心情の理解》,《母親の心理状態のアセスメント》の2のアセスメントと《心を閉ざしている母親へのアプローチ》が含まれた。『母親が看護師の援助を受け入れ可能な状態』では,《母親の変化のアセスメント》と《子どもと母親のニーズに応じたアプローチ》,《子どもや母親と看護師との信頼関係の構築》,《同じ経験をしている者との交流の促進》の3のアプローチが抽出された。『子どもの成長を見据えることが可能な状態』では《親子関係や母親の理解状況のアセスメント》と《子どもの成長を見据えた母親の対応》を行っていた。以上のことから,看護師は母親の心理状態を判断し,その状態に応じたアプローチを選択して親を支援し,子どもの成長を見据えて母親や子どもに対応することが重要であると捉えている事が明らかになった。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.24.1_8