興味ある粘膜下進展像が見られた早期胃癌の1例

『和文要旨』 異所性胃腺に癌が合併することは既知の事実であるが, 両者の関連性に関しては様々な報告がある. 今回我々は, 異所性腺管の近傍に発生した癌がその異所性腺管の上皮細胞を置換しながら粘膜下へ進展する像をとらえ, 異所性胃腺に合併した癌の進展様式を知る上で示唆に富んだ症例と考えられ, 報告する. 『症例』 患者:79歳, 男性. 主訴:なし. 現病歴:2005年より脂肪肝で当院外来通院中, 2008年10月スクリーニング上部消化管内視鏡検査にて体上部後壁に潰瘍(H1 stage)を認め, PPI内服を開始した. 2009年2月フォローの上部消化管内視鏡検査にて体中部後壁に陥凹性病変が見ら...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 76; no. 2; pp. 58 - 59
Main Authors 野内, 俊彦, 北村, まり, 松本, 太一, 小島, 茂, 清水, 誠一郎, 池宮城, 秀和, 浦牛原, 幸治, 小野, 圭一, 武田, 雄一, 小野, 真吾, 上西, 紀夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.76.2_58

Cover

More Information
Summary:『和文要旨』 異所性胃腺に癌が合併することは既知の事実であるが, 両者の関連性に関しては様々な報告がある. 今回我々は, 異所性腺管の近傍に発生した癌がその異所性腺管の上皮細胞を置換しながら粘膜下へ進展する像をとらえ, 異所性胃腺に合併した癌の進展様式を知る上で示唆に富んだ症例と考えられ, 報告する. 『症例』 患者:79歳, 男性. 主訴:なし. 現病歴:2005年より脂肪肝で当院外来通院中, 2008年10月スクリーニング上部消化管内視鏡検査にて体上部後壁に潰瘍(H1 stage)を認め, PPI内服を開始した. 2009年2月フォローの上部消化管内視鏡検査にて体中部後壁に陥凹性病変が見られ, 生検にてAdenocarcinoma(tub1)が認められた. 既往歴:脂肪肝, 前立腺癌(2003年放射線治療にてCR). 生活歴:喫煙歴;45歳~禁煙, 飲酒歴;機会飲酒. 家族歴:兄;胃癌, 母, 弟;肺癌. 身体所見:腹部は平坦・軟で理学的に異常所見を認めなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.76.2_58