総胆管結石に対する治療ERCP関連手技の検討―ERCP後膵炎予防におけるWire-guided cannulationの有用性について
『要旨』:近年試験造影を行わずガイドワイヤー(GW)を先行させて選択的胆管挿管を行うWire-guided cannulation(WGC)法が開発され, 無作為比較試験で通常法と比較してPEP発症が低率であったと報告されている. 総胆管結石に対する治療ERCP手技においてWGCでの治療成績と偶発症につき検討したところ, 高い胆管挿管率が得られ, PEPの発症も認めなかった. 『背景・目的』 日常診療で急性胆道感染症や胆石膵炎など治療ERCPを要する症例は少なくない. 急性膵炎はERCP後の偶発症で最も多く, 重症例では重要臓器障害や感染を併発して致死的な場合も存在する. ERCPにおいて頻回...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 76; no. 2; pp. 45 - 47 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.76.2_45 |
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Summary: | 『要旨』:近年試験造影を行わずガイドワイヤー(GW)を先行させて選択的胆管挿管を行うWire-guided cannulation(WGC)法が開発され, 無作為比較試験で通常法と比較してPEP発症が低率であったと報告されている. 総胆管結石に対する治療ERCP手技においてWGCでの治療成績と偶発症につき検討したところ, 高い胆管挿管率が得られ, PEPの発症も認めなかった. 『背景・目的』 日常診療で急性胆道感染症や胆石膵炎など治療ERCPを要する症例は少なくない. 急性膵炎はERCP後の偶発症で最も多く, 重症例では重要臓器障害や感染を併発して致死的な場合も存在する. ERCPにおいて頻回の膵管造影はERCP後急性膵炎(post-ERCP pancreatitis;以下, PEP)の危険因子として挙げられる1). 近年試験造影を行わずガイドワイヤー(GW)を先行させて選択的胆管挿管を行うWire-guided cannulation(WGC)法が開発され, 無作為比較試験で通常法と比較してPEP発症が低率であったと報告されている2,3). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.76.2_45 |