難治性の口腔内出血に対し直接穿刺による塞栓が有効であった上顎動静脈奇形の1例

【目的】繰り返す口腔内出血を生じる上顎動静脈奇形に対し,n-butyl 2-cyanoacrylate(NBCA)を用いた直接穿刺による塞栓術が有効であった1例を経験したので報告する.【症例】47歳,女性.視交叉近傍および上顎の複数の動静脈奇形をフォローされていた.口蓋表面に動静脈奇形の一部と思われる血管が露出,繰り返し口腔内出血が起き,圧迫止血が困難になってきたため,治療を行った.経動脈的な治療では効果不十分と判断され,出血点となっている部位にNBCAを直接穿刺によって注入した.塞栓により出血点は完全に閉塞し,以後再出血を生じなかった.【結論】経動脈的にアプローチ困難な上顎の動静脈奇形で口蓋...

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Published inJournal of Neuroendovascular Therapy Vol. 7; no. 1; pp. 32 - 39
Main Authors 柴尾, 俊輔, 秋山, 武紀, 莇生田, 整冶, 冨尾, 亮介, 吉田, 一成, 小野塚, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2013
日本脳神経血管内治療学会
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ISSN1882-4072
2186-2494
DOI10.5797/jnet.7.32

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Summary:【目的】繰り返す口腔内出血を生じる上顎動静脈奇形に対し,n-butyl 2-cyanoacrylate(NBCA)を用いた直接穿刺による塞栓術が有効であった1例を経験したので報告する.【症例】47歳,女性.視交叉近傍および上顎の複数の動静脈奇形をフォローされていた.口蓋表面に動静脈奇形の一部と思われる血管が露出,繰り返し口腔内出血が起き,圧迫止血が困難になってきたため,治療を行った.経動脈的な治療では効果不十分と判断され,出血点となっている部位にNBCAを直接穿刺によって注入した.塞栓により出血点は完全に閉塞し,以後再出血を生じなかった.【結論】経動脈的にアプローチ困難な上顎の動静脈奇形で口蓋側に突出している病変に対しては,直接穿刺の治療効果は十分である.
ISSN:1882-4072
2186-2494
DOI:10.5797/jnet.7.32