ステント留置術により血栓化・治癒に至った頸動脈狭窄を合併する頭蓋外巨大内頸動脈瘤の1例

【目的】動脈瘤の増大に伴って脳虚血症状を呈した頭蓋外内頸動脈瘤の症例を報告する.【症例】症例は73歳男性,嗄声と頸部拍動性腫瘤にて発症した.左側の総頸動脈分岐部に長径35mm大の嚢状動脈瘤と,同側内頸動脈に高度狭窄を認めた.動脈瘤の増大とともに同側頸動脈領域の脳虚血症状が進行したため,内頸動脈の狭窄部および動脈瘤の入口部をカバーするようにステントを留置した.ステント留置直後には動脈瘤内の血流は残存していたが,数週間の経過で頸部の拍動性腫瘤は縮小していき,術後3ヵ月目に行われた血管撮影で頸部動脈瘤の血栓化・血管撮影上治癒が確認された.【結論】ステント留置による動脈瘤内の血流動態の変化が動脈瘤を治...

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Published inJournal of Neuroendovascular Therapy Vol. 2; no. 2; pp. 149 - 153
Main Authors 藤井, 博子, 庄島, 正明, 宮田, 貴広, 難波, 克成, 根本, 繁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2008
日本脳神経血管内治療学会
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Summary:【目的】動脈瘤の増大に伴って脳虚血症状を呈した頭蓋外内頸動脈瘤の症例を報告する.【症例】症例は73歳男性,嗄声と頸部拍動性腫瘤にて発症した.左側の総頸動脈分岐部に長径35mm大の嚢状動脈瘤と,同側内頸動脈に高度狭窄を認めた.動脈瘤の増大とともに同側頸動脈領域の脳虚血症状が進行したため,内頸動脈の狭窄部および動脈瘤の入口部をカバーするようにステントを留置した.ステント留置直後には動脈瘤内の血流は残存していたが,数週間の経過で頸部の拍動性腫瘤は縮小していき,術後3ヵ月目に行われた血管撮影で頸部動脈瘤の血栓化・血管撮影上治癒が確認された.【結論】ステント留置による動脈瘤内の血流動態の変化が動脈瘤を治癒に導いたと推察された.
ISSN:1882-4072
2186-2494
DOI:10.5797/jnet.2.149