RIによる高令者造血能に関する研究

近年成人病, 老人病への関心がたかまるにつれて, 高令者における血液疾患の動向に対しても注意が向けられるようになって来た. 一般に高令者の血液疾患の場合, 代謝レベルの低下と諸臓器の機能的, 器質的変化を伴っており, このためその臨床像は, 若年者もしくは壮年者のそれに比べてはるかに複雑化しているのが通例であるといえよう. この点に関し, 我々はこれまでに多くの報告1)~8)を重ねてその解明に資して来たのであるが, 本稿では, 高令者血液疾患を中心として, その臨床像を眺めつつ, Ferrokinetics, 鉄・鉄結合能及び骨髄スキャニングの3点に限定して, RIの血液学的診断応用の実際及び...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療 Vol. 27; no. 11; pp. 1060 - 1065
Main Authors 与那原, 良夫, 伊藤, 宗元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1973
医療同好会
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:近年成人病, 老人病への関心がたかまるにつれて, 高令者における血液疾患の動向に対しても注意が向けられるようになって来た. 一般に高令者の血液疾患の場合, 代謝レベルの低下と諸臓器の機能的, 器質的変化を伴っており, このためその臨床像は, 若年者もしくは壮年者のそれに比べてはるかに複雑化しているのが通例であるといえよう. この点に関し, 我々はこれまでに多くの報告1)~8)を重ねてその解明に資して来たのであるが, 本稿では, 高令者血液疾患を中心として, その臨床像を眺めつつ, Ferrokinetics, 鉄・鉄結合能及び骨髄スキャニングの3点に限定して, RIの血液学的診断応用の実際及びその占める位置について論述することにした. 「高令者の血液疾患について」高令者の血液異常の診断に当たっては, 高令者疾患の通弊として, 臨床的に無自覚, 無症状で経過した後, 急激な増悪を来すことが特徴であり, 更に体内諸臓器の長年月にわたり繰り返された病歴が複雑な血液学的変化として表現されるため, その診断はますます困難となる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.27.1060