内包後脚梗塞後にrestless shoulderを認めた70歳女性

症例は70歳女性.起床時より呂律緩慢と左上下肢の脱力が出現した.神経学的所見にて構音障害と左不全片麻痺を認めたが,感覚障害はなかった.頭部MRIにて右内包後脚に新規梗塞巣を認めた.発症第1日目より両肩に限局した異常感覚が出現し,それに伴う入眠困難が出現した.血液検査では腎機能は正常であり,血清ヘモグロビンおよびフェリチン値も正常であった.レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome; RLS)の診断基準を患者の両肩に適用すると主要4項目を満たした.低用量プラミペキソール開始後両肩の異常感覚,不眠症状は改善した.急性期脳梗塞後の不眠の原因としてRLSやその亜型の可能性を...

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Published in臨床神経学 Vol. 57; no. 11; pp. 711 - 715
Main Authors 岡村, 穏, 椎名, 智彦, 中村, 利生, 平田, 幸一, 鈴木, 圭輔, 宮本, 雅之, 松原, 健朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2017
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001048

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Summary:症例は70歳女性.起床時より呂律緩慢と左上下肢の脱力が出現した.神経学的所見にて構音障害と左不全片麻痺を認めたが,感覚障害はなかった.頭部MRIにて右内包後脚に新規梗塞巣を認めた.発症第1日目より両肩に限局した異常感覚が出現し,それに伴う入眠困難が出現した.血液検査では腎機能は正常であり,血清ヘモグロビンおよびフェリチン値も正常であった.レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome; RLS)の診断基準を患者の両肩に適用すると主要4項目を満たした.低用量プラミペキソール開始後両肩の異常感覚,不眠症状は改善した.急性期脳梗塞後の不眠の原因としてRLSやその亜型の可能性を念頭に置く必要がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001048