話速変換語音聴覚検査による語音弁別能力の分類

67-S語表の音声をもとに作成した話速変換語音聴覚検査を用いて, 早口に対する難聴者の語音弁別特性を分類することにより, 「早口ではことばがわかりにくい。」 という訴えを臨床的に評価し, その結果を通常の語音聴力検査結果と比較した。 話速変換語音聴覚検査を施行した49名, 73耳を対象とし, 通常話声の速度と1.5倍速の結果の比較から早口に対する語音弁別特性をA, B, Cの3タイプに分類した。 Aが最も早口の影響を受けにくく, Cが最も影響を受けるグループと考えた。 結果はAが30耳, Bが26耳, Cが17耳であった。 タイプ別に語音聴取域値 (SRT), 語音弁別能を検討したところ, こ...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 40; no. 2; pp. 127 - 132
Main Authors 白石, 浩, 西田, 尚司, 村田, 清高, 細井, 裕司, 東, 博二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1997
日本聴覚医学会
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Summary:67-S語表の音声をもとに作成した話速変換語音聴覚検査を用いて, 早口に対する難聴者の語音弁別特性を分類することにより, 「早口ではことばがわかりにくい。」 という訴えを臨床的に評価し, その結果を通常の語音聴力検査結果と比較した。 話速変換語音聴覚検査を施行した49名, 73耳を対象とし, 通常話声の速度と1.5倍速の結果の比較から早口に対する語音弁別特性をA, B, Cの3タイプに分類した。 Aが最も早口の影響を受けにくく, Cが最も影響を受けるグループと考えた。 結果はAが30耳, Bが26耳, Cが17耳であった。 タイプ別に語音聴取域値 (SRT), 語音弁別能を検討したところ, これら通常の語音聴力検査結果と本検査結果との間に一定の関係は見いだせなかった。 したがって, 通常の語音聴力検査では検討できない時間分解能に関与すると考えられる早口に対する語音弁別能力を検査できる有用な方法と考えた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.40.127