補聴器適合の過程

北里大学病院補聴外来における補聴器適合とその評価法について概説した。適応は耳科診察と聴力検査によって決定される。適合の評価は補聴器の器械的評価, 聴力検査の評価, および自覚的評価に分けられる。補聴器の器械的評価では調整された補聴器の最大出力と利得を測定する。実耳挿入利得は短時間で施行でき, 客観的かつ実用的情報を得ることができる。聴力検査では純音聴力検査, 語音弁別検査, 補充現象検査は必須である。不快閾値測定も有用である。装用耳と裸耳との比較によって評価する。器械的評価と聴力評価が一致すれば適合がうまく行っていることを示す。自覚的評価にはきこえについての質問紙2002を使用した。質問紙は外...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 51; no. 3; pp. 185 - 192
Main Authors 岡本, 牧人, 松平, 登志正, 鈴木, 恵子, 原, 由紀, 井上, 理絵, 大沼, 幸恵, 上條, 貴裕, 猪, 健志, 佐野, 肇
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2008
日本聴覚医学会
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Summary:北里大学病院補聴外来における補聴器適合とその評価法について概説した。適応は耳科診察と聴力検査によって決定される。適合の評価は補聴器の器械的評価, 聴力検査の評価, および自覚的評価に分けられる。補聴器の器械的評価では調整された補聴器の最大出力と利得を測定する。実耳挿入利得は短時間で施行でき, 客観的かつ実用的情報を得ることができる。聴力検査では純音聴力検査, 語音弁別検査, 補充現象検査は必須である。不快閾値測定も有用である。装用耳と裸耳との比較によって評価する。器械的評価と聴力評価が一致すれば適合がうまく行っていることを示す。自覚的評価にはきこえについての質問紙2002を使用した。質問紙は外来での適合の問題点の把握と対処に有用で, 補聴効果の評価にも有用であった。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.51.185