急性低音障害型感音難聴に対する異なるステロイド剤による効果の相違について

低音障害型感音難聴に対するステロイド剤の種類による効果の相違を検討した。 プレドニゾロン (60mg/日, 7日間で漸減) 投与群, デキサメサゾン (10mg/日, 7日間で漸減) 投与群の2群で治療経過を比較した。 プレドニゾロン60mg群では経過途中で, いったん回復した聴力が悪化する例があり, その平均聴力レベルはデキサメサゾン群の同日聴力レベルと有意差を認めた。 低音障害型感音難聴はメニエール病に移行する例もあるように, 病因として内リンパ水腫などが考えられている。 ミネラルコルチコイドであるアルドステロンは内リンパ水腫を形成することが知られているがプレドニゾロンのミネラルコルチコイ...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 45; no. 2; pp. 176 - 181
Main Authors 真鍋, 恭弘, 斎藤, 武久, 斎藤, 等
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2002
日本聴覚医学会
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Summary:低音障害型感音難聴に対するステロイド剤の種類による効果の相違を検討した。 プレドニゾロン (60mg/日, 7日間で漸減) 投与群, デキサメサゾン (10mg/日, 7日間で漸減) 投与群の2群で治療経過を比較した。 プレドニゾロン60mg群では経過途中で, いったん回復した聴力が悪化する例があり, その平均聴力レベルはデキサメサゾン群の同日聴力レベルと有意差を認めた。 低音障害型感音難聴はメニエール病に移行する例もあるように, 病因として内リンパ水腫などが考えられている。 ミネラルコルチコイドであるアルドステロンは内リンパ水腫を形成することが知られているがプレドニゾロンのミネラルコルチコイド活性が内リンパの液性制御に何らかの作用を及ぼした可能性が考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.45.176