小児機能性難聴症例の検討

小児機能性難聴の35症例について, 学校健診で難聴を指摘され精査のために受診し機能性難聴と診断した症例: 健診群と, 自ら難聴など耳症状を訴えて受診した症例: 受診群に分けて検討した。 健診群が全症例の63%と半数以上を占めた。 健診群は全例が両側難聴を示したが, 受診群は片側性が75%と多かった。 健診群では全例に難聴の自覚と訴えが無かったが, 受診群では全例が難聴をはじめとする何らかの耳症状を自覚していた。 健診群の64%, 受診群の75%に心因が判明したが, 前者では耳と直接関係のない学校生活, 家庭・家族, 友人関係などの問題が, 後者では直接耳に作用した外傷や音響などが原因となってい...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 42; no. 2; pp. 119 - 125
Main Authors 鈴木, 雅明, 高橋, 由紀子, 堀, 富美子, 沖津, 卓二, 佐藤, 直子, 狩野, 茂之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1999
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.42.119

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Summary:小児機能性難聴の35症例について, 学校健診で難聴を指摘され精査のために受診し機能性難聴と診断した症例: 健診群と, 自ら難聴など耳症状を訴えて受診した症例: 受診群に分けて検討した。 健診群が全症例の63%と半数以上を占めた。 健診群は全例が両側難聴を示したが, 受診群は片側性が75%と多かった。 健診群では全例に難聴の自覚と訴えが無かったが, 受診群では全例が難聴をはじめとする何らかの耳症状を自覚していた。 健診群の64%, 受診群の75%に心因が判明したが, 前者では耳と直接関係のない学校生活, 家庭・家族, 友人関係などの問題が, 後者では直接耳に作用した外傷や音響などが原因となっているものが多かった。 健診群では83%が, 受診群では63%が耳鼻科的対応のみで6ヵ月以内に聴力が正常に回復した。 両群の症例の対応について述べ, 特に健診群で難聴の自覚がなく心因が不明な症例への考察を行い, 著者らの対応を述べた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.42.119