急性低音障害型感音難聴の予後因子

当科にて経過観察ができた急性低音障害型感音難聴症例61例に対して, その予後因子についてロジスティック回帰分析を用いて検討を行った。 急性低音障害型感音難聴の予後は, 治癒46耳 (75%), 回復3耳 (5%), 不変・悪化12耳 (20%) であった。 予後と関連のある因子は, 年齢と性別であった。 年齢が高いと予後不良となり, 男性は女性より有意に予後不良であった。 危険率10%以下ではあるが, 初診時1kHz聴力レベルも予後に関連する因子であり, 1kHz聴力レベルが悪いと予後不良の傾向を示した。 治療にイソソルビドを使用している症例に予後不良の傾向が認められた。 治癒群46耳について...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 45; no. 2; pp. 149 - 154
Main Authors 江崎, 嘉十, 西園, 正寿男, 小倉, 朋子, 田中, 雅博, 加藤, 寿彦, 原田, 博文, 坂田, 俊文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2002
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.45.149

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Summary:当科にて経過観察ができた急性低音障害型感音難聴症例61例に対して, その予後因子についてロジスティック回帰分析を用いて検討を行った。 急性低音障害型感音難聴の予後は, 治癒46耳 (75%), 回復3耳 (5%), 不変・悪化12耳 (20%) であった。 予後と関連のある因子は, 年齢と性別であった。 年齢が高いと予後不良となり, 男性は女性より有意に予後不良であった。 危険率10%以下ではあるが, 初診時1kHz聴力レベルも予後に関連する因子であり, 1kHz聴力レベルが悪いと予後不良の傾向を示した。 治療にイソソルビドを使用している症例に予後不良の傾向が認められた。 治癒群46耳について, その後経過観察中に再発したものが14耳, 再発しなかったものが32耳あった。 ロジスティック回帰分析では, 性別のみ再発と有意な関連を認め, 男性は再発しやすい傾向が認められた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.45.149