ステント留置術と浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術を併用し治療を行った放射線誘発両側頸動脈狭窄症の一例
喉頭癌に対する放射線治療後の両側頸動脈狭窄症に対してステント留置術とバイパス術を併用し治療した症例を経験した.症例は71歳男性.1990年に喉頭癌のため喉頭全摘術と局所放射線治療を施行.13年後両側頸動脈狭窄症の診断となった.無症状のため当初経過観察されていたが,2004年より一過性脳虚血発作が出現.翌年には右内頸動脈が閉塞し症状増悪したため,外科的治療を考慮.まずステントを右総頸動脈から外頸動脈に留置し外頸動脈の血流を確保.翌月,右浅側頭動脈―中大脳動脈バイパス術を施行し右半球の血流を改善させた.その後同様に左内頸動脈にステント留置した.両側とも良好な血流を認め,術後症状は消失した.術後18...
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Published in | Journal of Neuroendovascular Therapy Vol. 1; no. 1; pp. 15 - 20 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
2007
日本脳神経血管内治療学会 |
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ISSN | 1882-4072 2186-2494 |
DOI | 10.5797/jnet.1.15 |
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Summary: | 喉頭癌に対する放射線治療後の両側頸動脈狭窄症に対してステント留置術とバイパス術を併用し治療した症例を経験した.症例は71歳男性.1990年に喉頭癌のため喉頭全摘術と局所放射線治療を施行.13年後両側頸動脈狭窄症の診断となった.無症状のため当初経過観察されていたが,2004年より一過性脳虚血発作が出現.翌年には右内頸動脈が閉塞し症状増悪したため,外科的治療を考慮.まずステントを右総頸動脈から外頸動脈に留置し外頸動脈の血流を確保.翌月,右浅側頭動脈―中大脳動脈バイパス術を施行し右半球の血流を改善させた.その後同様に左内頸動脈にステント留置した.両側とも良好な血流を認め,術後症状は消失した.術後18ヶ月の観察で経過良好である. |
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ISSN: | 1882-4072 2186-2494 |
DOI: | 10.5797/jnet.1.15 |