脳梗塞の原因として内頸動脈内血栓が関与した1例

症例は49歳の男性.全失語,右片麻痺を主訴に搬送された.頭部MRIで左前大脳動脈・中大脳動脈領域に超急性期梗塞を認め,MRAでは左A2部・M2部の閉塞が示唆された.t-PAを投与したが症状は改善せず,頸動脈エコーで左内頸動脈起始部に6×7×17 mmの巨大血栓を認め,脳梗塞の原因と考えられた.抗凝固療法を開始後に血栓は徐々に縮小し最終的に消失した.内頸動脈内血栓(internal carotid thrombus; ICT)に対しては抗凝固療法が有効であり,その効果の確認には頸動脈エコーが有用であった1例を報告する....

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Published in臨床神経学 Vol. 57; no. 1; pp. 14 - 20
Main Authors 上床, 武史, 坂井, 翔建, 石束, 光司, 杉森, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2017
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-000951

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Summary:症例は49歳の男性.全失語,右片麻痺を主訴に搬送された.頭部MRIで左前大脳動脈・中大脳動脈領域に超急性期梗塞を認め,MRAでは左A2部・M2部の閉塞が示唆された.t-PAを投与したが症状は改善せず,頸動脈エコーで左内頸動脈起始部に6×7×17 mmの巨大血栓を認め,脳梗塞の原因と考えられた.抗凝固療法を開始後に血栓は徐々に縮小し最終的に消失した.内頸動脈内血栓(internal carotid thrombus; ICT)に対しては抗凝固療法が有効であり,その効果の確認には頸動脈エコーが有用であった1例を報告する.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-000951