耳下腺炎を契機に発症し,脳病変のみを反復したシェーグレン症候群合併視神経脊髄炎関連疾患の1例

症例は33歳女性.耳下腺炎後に情動失禁や運動性失語,両側の側方注視麻痺,痙縮がみられ,MRIで中脳大脳脚から内包後脚,中小脳脚,前頭葉皮質下の白質に異常信号を認めた.以前から眼や口腔の乾燥感があり,入院後にシェーグレン症候群(Sjögren’s syndrome; SjS)の合併が判明し,抗アクアポリン4抗体が陽性であった.ステロイドパルス後の単純血漿交換療法が著効した.ステロイド減量中に大脳に再発を来したが,免疫抑制剤導入後は再発なく経過した.本症例は耳下腺炎を契機に発症しており,唾液腺炎が視神経脊髄炎関連疾患の病態に関与している可能性が示された....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 57; no. 2; pp. 77 - 81
Main Authors 梶, 龍兒, 和泉, 唯信, 古川, 貴大, 田中, 恵子, 松井, 尚子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2017
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-000924

Cover

More Information
Summary:症例は33歳女性.耳下腺炎後に情動失禁や運動性失語,両側の側方注視麻痺,痙縮がみられ,MRIで中脳大脳脚から内包後脚,中小脳脚,前頭葉皮質下の白質に異常信号を認めた.以前から眼や口腔の乾燥感があり,入院後にシェーグレン症候群(Sjögren’s syndrome; SjS)の合併が判明し,抗アクアポリン4抗体が陽性であった.ステロイドパルス後の単純血漿交換療法が著効した.ステロイド減量中に大脳に再発を来したが,免疫抑制剤導入後は再発なく経過した.本症例は耳下腺炎を契機に発症しており,唾液腺炎が視神経脊髄炎関連疾患の病態に関与している可能性が示された.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-000924