突発性難聴に対する高気圧酸素療法の検討

突発性難聴に対する高気圧酸素療法 (以下, HBO) の有効性を retrospective に検討し, HBOの適応基準について考察した。 1998年9月から2005年7月まで北里大学で治療をした突発性難聴198症例を対象とした。対象のHBOあり群 (124症例) はHBOとPGE1, ステロイド, 循環改善薬, ビタミンで治療したものとし, HBO群 (コントロール, 74症例) はHBO以外で治療したものとした。HBOと聴力改善との関係についてロジスティック回帰分析を行った。 HBOあり群の Grade 4には治癒した症例が存在したが, HBO群の Grade 4には存在しなかった。HB...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 49; no. 1; pp. 74 - 81
Main Authors 上條, 貴裕, 岡本, 牧人, 佐野, 肇, 小野, 雄一, 橋本, 大門
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2006
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.49.74

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Summary:突発性難聴に対する高気圧酸素療法 (以下, HBO) の有効性を retrospective に検討し, HBOの適応基準について考察した。 1998年9月から2005年7月まで北里大学で治療をした突発性難聴198症例を対象とした。対象のHBOあり群 (124症例) はHBOとPGE1, ステロイド, 循環改善薬, ビタミンで治療したものとし, HBO群 (コントロール, 74症例) はHBO以外で治療したものとした。HBOと聴力改善との関係についてロジスティック回帰分析を行った。 HBOあり群の Grade 4には治癒した症例が存在したが, HBO群の Grade 4には存在しなかった。HBOの有無に関してはいずれの群においても有意性を認めなかった。 Grade 1~3の症例に対してはHBOを積極的に行う必要はない。Grade 4の症例に対しては患者が希望すればHBOを行うのが妥当である。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.49.74