成人と新生児・乳児における各種耳音響放射の相互関係について

誘発耳音響放射 (以下EOAE) と歪成分耳音響放射 (以下DPOAE) の結果を比較検討する場合, それぞれどのパラメータを比較すべきなのかということについてはまだ充分に検討されていないようである。特に自発耳音響放射 (以下SOAE) の有無の影響を含めた報告は少ない。そこで今回我々はEOAEとDPOAEの関連を比較検討するために, 成人32名63耳と新生児・乳児23名41耳を対象としてOAEを記録し, SOAEの有無も含めていくつかのパラメータを比較検討した。 EOAEとDPOAEを比較検討する場合, 1.5~2kHzの中音域の周波数において相関が良いようであり, その傾向はSOAE陽性例...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 46; no. 1; pp. 66 - 73
Main Authors 奈良林, 修, 西嶋, 隆, 市川, 銀一郎, 芳川, 洋, 藤本, 由紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2003
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.46.66

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Summary:誘発耳音響放射 (以下EOAE) と歪成分耳音響放射 (以下DPOAE) の結果を比較検討する場合, それぞれどのパラメータを比較すべきなのかということについてはまだ充分に検討されていないようである。特に自発耳音響放射 (以下SOAE) の有無の影響を含めた報告は少ない。そこで今回我々はEOAEとDPOAEの関連を比較検討するために, 成人32名63耳と新生児・乳児23名41耳を対象としてOAEを記録し, SOAEの有無も含めていくつかのパラメータを比較検討した。 EOAEとDPOAEを比較検討する場合, 1.5~2kHzの中音域の周波数において相関が良いようであり, その傾向はSOAE陽性例でより明らかであった。 DPグラムのX軸を従来のF2でプロットするよりもF1 (もしくは2F1-F2) としたほうが, EOAEの各周波数におけるパワーとDPレベルの相関は良好であった。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.46.66