抗菌剤感受性試験結果の解釈と投与方法の問題点
感染症治療において, 適切な抗菌剤の選択に薬剤感受性試験は不可欠な検査の一つであり, 医師が治療薬剤を選択する際にも大きな影響を与える. 多くの施設では, 米国臨床検査標準委員会(NCCLS:National Committee for Clinical Laboratory Standards)が定めたNCCLS法が採用されており, 病原菌の菌種ごとに臨床的に有効および無効であると考えられる薬剤濃度に基づきS(感性:susceptible), I(中間:intermediate), R(耐性:resistance)の判定基準(ブレークポイント)を用いて報告されている. (Table 1) し...
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Published in | 医療薬学 Vol. 31; no. 11; pp. 900 - 905 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2005
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.31.900 |
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Summary: | 感染症治療において, 適切な抗菌剤の選択に薬剤感受性試験は不可欠な検査の一つであり, 医師が治療薬剤を選択する際にも大きな影響を与える. 多くの施設では, 米国臨床検査標準委員会(NCCLS:National Committee for Clinical Laboratory Standards)が定めたNCCLS法が採用されており, 病原菌の菌種ごとに臨床的に有効および無効であると考えられる薬剤濃度に基づきS(感性:susceptible), I(中間:intermediate), R(耐性:resistance)の判定基準(ブレークポイント)を用いて報告されている. (Table 1) しかし, これらのブレークポイントは, 米国の用法, 用量やそれらに基づいた体内動態をもとに設定されているため, 日本で適用される場合には結果の解釈に注意を要する. 近年, PK/PDの検討により各種抗菌剤の効果と関連するPK/PDパラメータが明らかになりつつある. β-ラクタム系抗菌剤に関しては, 時間依存型の作用を示し, 血清中濃度が起炎菌のMICを上回る時間(T>MIC:Time above MIC)と効果が関連することが知られている. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.31.900 |