Cushing病とKlinefelter症候群の合併により亜急性に進行する両下肢近位筋筋力低下を呈した1例

69歳男性.約1か月の経過で下肢近位筋筋力低下が亜急性に出現した.中心性肥満,水牛様肩を認め,針筋電図,筋MRI,CPK値は異常なく,高血圧や糖尿病はなかった.ACTHと尿中コルチゾール上昇,デキサメサゾン抑制試験,CRH試験,海綿静脈洞サンプリング陽性から,MRIで認めた微小下垂体腫瘤によるCushing病と診断した.一方,女性化乳房,テストステロン低値,LH・FSH上昇,陰囊・陰茎の萎縮あり,染色体検査でモザイク型Klinefelter症候群の合併が確認された.同疾患によるテストステロン低下が軽症Cushing病による糖質コルチコイド上昇で増悪し,筋力低下が亜急性に出現したと考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 59; no. 5; pp. 253 - 257
Main Authors 清水, 芳樹, 北村, 彰浩, 塚本, 剛士, 金, 一暁, 川合, 寛道, 漆谷, 真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2019
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Summary:69歳男性.約1か月の経過で下肢近位筋筋力低下が亜急性に出現した.中心性肥満,水牛様肩を認め,針筋電図,筋MRI,CPK値は異常なく,高血圧や糖尿病はなかった.ACTHと尿中コルチゾール上昇,デキサメサゾン抑制試験,CRH試験,海綿静脈洞サンプリング陽性から,MRIで認めた微小下垂体腫瘤によるCushing病と診断した.一方,女性化乳房,テストステロン低値,LH・FSH上昇,陰囊・陰茎の萎縮あり,染色体検査でモザイク型Klinefelter症候群の合併が確認された.同疾患によるテストステロン低下が軽症Cushing病による糖質コルチコイド上昇で増悪し,筋力低下が亜急性に出現したと考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001215