3-4 呼吸器内視鏡医と耳鼻咽喉科の連携(シンポジウム3 呼吸器内視鏡医と関連他科の連携)

背景.気道は鼻腔に始まり,気管支に至るまでの管腔ルートである.通常,上気道を耳鼻咽喉科医,下気道を呼吸器内視鏡医が扱う.気道を取り扱うという観点から,呼吸器内視鏡医と耳鼻咽喉科医との連携は大変重要であると思われる.目的.呼吸器内視鏡医から耳鼻咽喉科へ依頼された症例を通じて,呼吸器内視鏡医と耳鼻咽喉科医との連携の必要性を検討した.対象.過去5年間に,呼吸器内視鏡医から東京都立大塚病院耳鼻咽喉科に依頼された6症例が検討の対象となった.その内容は非特異的喉頭肉芽腫3例ならびに喉頭血管腫1例,喉頭乳頭腫1例,喉頭顆粒細胞腫1例であった.全例とも,気管支内視鏡検査が施行され,下気道に異常は認めず,偶然に...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 25; no. 8; pp. 649 - 651
Main Author 川井田, 政弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.25.8_649

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Summary:背景.気道は鼻腔に始まり,気管支に至るまでの管腔ルートである.通常,上気道を耳鼻咽喉科医,下気道を呼吸器内視鏡医が扱う.気道を取り扱うという観点から,呼吸器内視鏡医と耳鼻咽喉科医との連携は大変重要であると思われる.目的.呼吸器内視鏡医から耳鼻咽喉科へ依頼された症例を通じて,呼吸器内視鏡医と耳鼻咽喉科医との連携の必要性を検討した.対象.過去5年間に,呼吸器内視鏡医から東京都立大塚病院耳鼻咽喉科に依頼された6症例が検討の対象となった.その内容は非特異的喉頭肉芽腫3例ならびに喉頭血管腫1例,喉頭乳頭腫1例,喉頭顆粒細胞腫1例であった.全例とも,気管支内視鏡検査が施行され,下気道に異常は認めず,偶然にも喉頭病変が発見されたものであった.結果.全症例の喉頭病変は声門後部や声門上部に生じていた.したがって,全症例ともに発声障害を訴えず,むしろ当初は下気道病変が疑われたものであった.結論.呼吸器内視鏡検査は必ず上気道を経由して下気道までの内規鏡的観察が行われる.耳鼻咽喉科医は喉頭までの上気道を観察できるが,下気道の観察は不可能である.しかしながら,必ず上気道を経由して下気道までの内視鏡的観察を行う呼吸器内視鏡医は上気道を観察して,喉頭病変の有無をスクリーニングして発見できることがあるといえる.以上の観点から,呼吸器内視鏡医と耳鼻咽喉科医との連携は今後とも重要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.8_649