熊本地震がパーキンソン病の臨床症候に及ぼした影響
熊本地震がパーキンソン病患者の臨床症候に影響したかを明らかにするべく,震災前後のUnified Parkinson’s Disease Rating Scale (UPDRS) Part IIIの点数変化を検討した.全体として有意な変化はなかったが,女性(P = 0.0188),軽症例(P = 0.0111),被災度の高い群(P = 0.0184)で点数が増加していた.点数の増加した7例(26.9%)では「筋強剛」,「動作緩慢と運動減少」の項目での悪化が多かった.7例(26.9%)は症状が改善していた.震災に伴う精神的ストレスが大きかったことが予想され,臨床症候の変化に関係していることが示唆さ...
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Published in | 臨床神経学 Vol. 57; no. 8; pp. 425 - 429 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2017
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-000931 |
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Summary: | 熊本地震がパーキンソン病患者の臨床症候に影響したかを明らかにするべく,震災前後のUnified Parkinson’s Disease Rating Scale (UPDRS) Part IIIの点数変化を検討した.全体として有意な変化はなかったが,女性(P = 0.0188),軽症例(P = 0.0111),被災度の高い群(P = 0.0184)で点数が増加していた.点数の増加した7例(26.9%)では「筋強剛」,「動作緩慢と運動減少」の項目での悪化が多かった.7例(26.9%)は症状が改善していた.震災に伴う精神的ストレスが大きかったことが予想され,臨床症候の変化に関係していることが示唆された. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-000931 |