転移性肝癌に対する経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)の有用性

「はじめに」経皮的ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation:RFA)は, 肝内腫瘍の局所制御に優れた低侵襲の治療法として普及し, 適切に行われれば根治性のある肝細胞癌治療法として確立されている1). 転移性肝癌では原発巣や肝内外の病変の状態により予後が規定され, 切除可能症例は全体の10~30%程度との報告もある. また, 切除されても無再発生存率は5年で20%未満である. さらに, 原発巣切除後まもなく肝転移を指摘された場合や高齢者では切除を希望されない症例も多い. RFAは直接腫瘍組織を熱で壊死させるため, 転移性肝癌においても確実に腫瘍効果が得られる. 外科的切除...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 30; pp. 87 - 90
Main Authors 鈴木, 一幸, 黒田, 英克, 及川, 隆喜, 小野寺, 美緒, 牛尾, 晶, 滝川, 康裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2012
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.30.87

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Summary:「はじめに」経皮的ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation:RFA)は, 肝内腫瘍の局所制御に優れた低侵襲の治療法として普及し, 適切に行われれば根治性のある肝細胞癌治療法として確立されている1). 転移性肝癌では原発巣や肝内外の病変の状態により予後が規定され, 切除可能症例は全体の10~30%程度との報告もある. また, 切除されても無再発生存率は5年で20%未満である. さらに, 原発巣切除後まもなく肝転移を指摘された場合や高齢者では切除を希望されない症例も多い. RFAは直接腫瘍組織を熱で壊死させるため, 転移性肝癌においても確実に腫瘍効果が得られる. 外科的切除よりも低侵襲で入院期間が短期間であることから, 転移性肝癌に対するRFAの有効性が報告されている2). さらに, RFAを早期に導入することで局所効果のみに留まらず, 次の治療に繋げるbridge効果も期待される.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.30.87