子宮頸部初期癌例におけるYAGレーザー円錐切除療法後の妊娠, 分娩及び経過観察成績
子宮頸部初期癌52例に, YAGレーザー円錐切除術を施行した. これらは, 診断群24例, 治療群10例及び挙児希望群18例であった. 挙児希望群の年齢(28.3±4.6歳), 経産回数(0.8±0.8回)及び摘出円錐長(17.2±6.0mm)は他の2群に比し有意に低値であった. 挙児希望群のうち, 妊娠に関連した円錐切除例は11例(61%)あり, 円錐切除後妊娠6例, 妊娠中の円錐切除2例, 産褥期円錐切除3例であった. 円錐切除後7妊娠(6例)のうち1妊娠(14.3%)が流産であり, 妊娠中の手術例も含めると8分娩のうち1分娩(12.5%)が早産であった. 正常産は75.0%, 帝王切開は...
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Published in | 医療 Vol. 45; no. 11; pp. 1045 - 1052 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1991
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.45.1045 |
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Summary: | 子宮頸部初期癌52例に, YAGレーザー円錐切除術を施行した. これらは, 診断群24例, 治療群10例及び挙児希望群18例であった. 挙児希望群の年齢(28.3±4.6歳), 経産回数(0.8±0.8回)及び摘出円錐長(17.2±6.0mm)は他の2群に比し有意に低値であった. 挙児希望群のうち, 妊娠に関連した円錐切除例は11例(61%)あり, 円錐切除後妊娠6例, 妊娠中の円錐切除2例, 産褥期円錐切除3例であった. 円錐切除後7妊娠(6例)のうち1妊娠(14.3%)が流産であり, 妊娠中の手術例も含めると8分娩のうち1分娩(12.5%)が早産であった. 正常産は75.0%, 帝王切開は25.0%であった. 低出生体重児, 新生児仮死及び死亡例は認めなかった. 子宮温存27例の平均経過観察期間は33.4ヵ月で1例の他病死があった. 再発は3例(10.7%)認めたが, 軽度異形成2例及び中等度異形成1例であり, 経過観察中である.術後, 頸管狭窄の合併症を21.4%と高頻度に認めたが, 術式改良後は, 5.6%と著減した. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.45.1045 |