散乱光粒子測定装置を用いた脳梗塞急性期の血小板自然凝集に関する検討

【目的】従来血小板凝集は定量的な測定が困難であったため,脳梗塞急性期での詳細な検討はされていなかった.今回散乱光粒子測定装置を用いて脳梗塞急性期各病型における血小板凝集を定量的,経時的に測定した.【対象・方法】対象は脳梗塞急性期患者98例,内訳はアテローム血栓性脳梗塞(ATI)45例,ラクナ梗塞(LI)21例,心原性脳塞栓症(CE)32例であった.脳梗塞の発症日,発症後3,7,14,28日に血小板自然凝集(SPA)を測定した.【結果】脂質・糖代謝,拡張期血圧は脳梗塞後のSPAと関連があり,経過中のSPA最大値はATI群,CE群がLI群に比べ有意に高値を示した.経時的にはATI群,LI群で有意な...

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Published in脳卒中 Vol. 26; no. 2; pp. 364 - 370
Main Authors 矢崎, 直子, 高橋, 洋一, 山田, 浩史, 杉原, 浩史, 平山, 俊和, 豊島, 裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2004
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.26.364

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Summary:【目的】従来血小板凝集は定量的な測定が困難であったため,脳梗塞急性期での詳細な検討はされていなかった.今回散乱光粒子測定装置を用いて脳梗塞急性期各病型における血小板凝集を定量的,経時的に測定した.【対象・方法】対象は脳梗塞急性期患者98例,内訳はアテローム血栓性脳梗塞(ATI)45例,ラクナ梗塞(LI)21例,心原性脳塞栓症(CE)32例であった.脳梗塞の発症日,発症後3,7,14,28日に血小板自然凝集(SPA)を測定した.【結果】脂質・糖代謝,拡張期血圧は脳梗塞後のSPAと関連があり,経過中のSPA最大値はATI群,CE群がLI群に比べ有意に高値を示した.経時的にはATI群,LI群で有意な変化がみられなかったが,CE群は発症後3日のSPAと比べ,14日で有意に低下した.【結論】脳梗塞急性期各病型によってSPAの発現に特徴がみられ,SPAは血小板活性化の指標として有用と考えられた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.26.364