脳室炎を併発し,治療に難渋した髄膜炎菌性髄膜炎の1例

症例は64歳男性.発熱,意識障害にて緊急入院となった.血液・髄液より髄膜炎菌が培養同定され髄膜炎菌性髄膜炎と診断し,脳MRIにて脳室炎の所見を認めた.セフトリアキソンを17日間投与し軽快したが,投与終了後に再燃を認めた.またβラクタム系抗菌薬の副作用と推定される好中球減少・腎障害が出現した.モキシフロキサシン内服に変更し外来通院を含め計12週投与したが,副作用や投与中止後の再燃は認めず終診となった.一般に髄膜炎菌性髄膜炎は抗菌薬の反応は良好であるが,脳室炎を併発した際には十分な抗菌薬治療期間が必要と考えた....

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Published in臨床神経学 Vol. 56; no. 5; pp. 344 - 347
Main Authors 堀内, 泉, 深尾, 絵里, 小田, 智三, 本間, 温, 内潟, 雅信, 中原, 広明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2016
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-000831

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Summary:症例は64歳男性.発熱,意識障害にて緊急入院となった.血液・髄液より髄膜炎菌が培養同定され髄膜炎菌性髄膜炎と診断し,脳MRIにて脳室炎の所見を認めた.セフトリアキソンを17日間投与し軽快したが,投与終了後に再燃を認めた.またβラクタム系抗菌薬の副作用と推定される好中球減少・腎障害が出現した.モキシフロキサシン内服に変更し外来通院を含め計12週投与したが,副作用や投与中止後の再燃は認めず終診となった.一般に髄膜炎菌性髄膜炎は抗菌薬の反応は良好であるが,脳室炎を併発した際には十分な抗菌薬治療期間が必要と考えた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-000831