進行肝細胞癌に対する最新治療

「はじめに」本稿は第30回Microwave Surgery研究会(会長:岩手医科大学外科学講座 若林剛教授)の共催で2011年10月8日に開催された市民公開講座(テーマ:「最新の肝細胞がん治療」)より“進行肝細胞癌に対する最新治療”の講演内容についてまとめたものである. 肝細胞癌の多くは, B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに起因する慢性肝炎から肝硬変といった病態を経て発症するが, 患者の十分な経過観察や画像診断の進歩などにより早期診断も可能となった. 一方, 肝細胞癌に対する局所療法も目覚ましい進歩を遂げ, 肝切除術を初めとして肝動脈塞栓術(TACE), ラジオ波焼灼療法(RFA)などが有...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 30; pp. 47 - 52
Main Authors 鈴木, 一幸, 葛西, 和博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2012
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.30.47

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Summary:「はじめに」本稿は第30回Microwave Surgery研究会(会長:岩手医科大学外科学講座 若林剛教授)の共催で2011年10月8日に開催された市民公開講座(テーマ:「最新の肝細胞がん治療」)より“進行肝細胞癌に対する最新治療”の講演内容についてまとめたものである. 肝細胞癌の多くは, B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに起因する慢性肝炎から肝硬変といった病態を経て発症するが, 患者の十分な経過観察や画像診断の進歩などにより早期診断も可能となった. 一方, 肝細胞癌に対する局所療法も目覚ましい進歩を遂げ, 肝切除術を初めとして肝動脈塞栓術(TACE), ラジオ波焼灼療法(RFA)などが有効な治療法としてその効果が認められている. しかし, 3区域以上に主腫瘍が存在するような多発肝細胞癌や門脈浸潤を認める高度進行肝細胞癌および他臓器に転移を有する肝細胞癌については, 上記局所療法による一時的な治療効果が認められたとしてもほとんどの症例で制御困難な肝細胞癌の末期病態を呈する.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.30.47