舞踏様運動をきたし頸動脈ステント治療が奏功した73歳男性例
73歳男性,3ヵ月前より急に右上下肢の舞踏様運動,舌のジスキネジアをみとめた.MRIでは明らかな責任病巣をみとめず,MRAおよび頸動脈ドプラ検査で左内頸動脈閉塞,右総頸動脈高度狭窄,脳血流SPECT検査で基底核をふくむ左内頸動脈領域の血流低下をみとめた.ハロペリドール内服で症状の改善はなく,右総頸動脈に対しステント留置術を施行した.対側からのcross flowにより血流は改善し,舞踏様運動は軽快した.本例においてステント留置が不随意運動の改善をきたしたことより,左内頸動脈閉塞による大脳皮質-大脳基底核ループ系の低灌流が舞踏様運動の要因であったと推察した....
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Published in | 臨床神経学 Vol. 55; no. 5; pp. 356 - 359 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-000641 |
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Summary: | 73歳男性,3ヵ月前より急に右上下肢の舞踏様運動,舌のジスキネジアをみとめた.MRIでは明らかな責任病巣をみとめず,MRAおよび頸動脈ドプラ検査で左内頸動脈閉塞,右総頸動脈高度狭窄,脳血流SPECT検査で基底核をふくむ左内頸動脈領域の血流低下をみとめた.ハロペリドール内服で症状の改善はなく,右総頸動脈に対しステント留置術を施行した.対側からのcross flowにより血流は改善し,舞踏様運動は軽快した.本例においてステント留置が不随意運動の改善をきたしたことより,左内頸動脈閉塞による大脳皮質-大脳基底核ループ系の低灌流が舞踏様運動の要因であったと推察した. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-000641 |