優れた投能力をもつ小学生の投動作の特徴とその標準動作

「I 緒言」ヒトの神経系は児童期が終わるまでに成人の約90%まで発達するとされており, 特に児童期後半は子どもの発達のなかで運動の学習に最適な時期であり, 多様な運動遊びやスポーツと出会うことで基礎的な運動を幅広く習得することができるとされている(マイネル, 1981). しかし, 近年, 子どもの体力水準の低下傾向が続き, 積極的に運動する子どもとそうでない子どもとの二極化が問題の一つとなっている(中央教育審議会答申, 2008). このような現状を反映して, 「健やかな体の育成」をねらいの1つとして平成20年3月に小学校学習指導要領が改訂され, 各学年の目標には「基礎的・基本的な動きや技能...

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Published in体育学研究 Vol. 57; no. 2; pp. 613 - 629
Main Authors 小林, 育斗, 阿江, 通良, 宮﨑, 明世, 藤井, 範久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2012
日本体育学会
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Summary:「I 緒言」ヒトの神経系は児童期が終わるまでに成人の約90%まで発達するとされており, 特に児童期後半は子どもの発達のなかで運動の学習に最適な時期であり, 多様な運動遊びやスポーツと出会うことで基礎的な運動を幅広く習得することができるとされている(マイネル, 1981). しかし, 近年, 子どもの体力水準の低下傾向が続き, 積極的に運動する子どもとそうでない子どもとの二極化が問題の一つとなっている(中央教育審議会答申, 2008). このような現状を反映して, 「健やかな体の育成」をねらいの1つとして平成20年3月に小学校学習指導要領が改訂され, 各学年の目標には「基礎的・基本的な動きや技能」を身につけることが加わり, 学校教育法施行規則の一部改正によって体育科の総時数は主要教科以外で唯一増加した. これらのことは, 子どもの健康や体力の増進へ向けた体育授業に対する期待を示すものと捉えられるが, そのためには学習目標の基礎となる身に付けるべき動きのパターンや習熟度を発達段階に応じて示す必要がある.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.12032