教授活動の計算機シミュレーションに向けたモデルの提案

本研究の目的は,教授スキルや授業設計手法に関わる教育工学の成果を知識工学の方法に結び付けて概念整理し,計算機シミュレーションの実現を目指した教授活動のモデルを提案することである.提案したモデルは,最終的に教授活動の支援に応用することを想定しており,有効性,伝達性を重視しながら,授業の設計・実施・評価に関与する教師の知識の機能を説明するものとなっている.モデルは,3種類の要素で構成されている.一つは,行動の系列に関する知識であり,授業計画,内容別説明シナリオ,数学的方法別・場面別教授行動列,教授行動という下位カテゴリーに分けた.二つは,意識決定を司るモニタリング・スキーマとそれを制御するメタ・ス...

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Published in日本教育工学雑誌 Vol. 15; no. 4; pp. 183 - 195
Main Authors 多胡, 賢太郎, 松田, 稔樹, 坂元, 昂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 1992
Japan Society for Educational Technology
Subjects
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ISSN0385-5236
2432-6038
DOI10.15077/jmet.15.4_183

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Summary:本研究の目的は,教授スキルや授業設計手法に関わる教育工学の成果を知識工学の方法に結び付けて概念整理し,計算機シミュレーションの実現を目指した教授活動のモデルを提案することである.提案したモデルは,最終的に教授活動の支援に応用することを想定しており,有効性,伝達性を重視しながら,授業の設計・実施・評価に関与する教師の知識の機能を説明するものとなっている.モデルは,3種類の要素で構成されている.一つは,行動の系列に関する知識であり,授業計画,内容別説明シナリオ,数学的方法別・場面別教授行動列,教授行動という下位カテゴリーに分けた.二つは,意識決定を司るモニタリング・スキーマとそれを制御するメタ・スキーマである.三つは,教師の特性を集約した教師モデルと,それに関連した教材知識の体系,生徒モデルである.特に,教師モデルは,教師の個性や成長過程を説明するためのものであり,応用的側面からも重要な意味を担う.
ISSN:0385-5236
2432-6038
DOI:10.15077/jmet.15.4_183