高齢者大腸癌手術における術後合併症と予後予測についての栄養指標有用性の検討

【背景】高齢大腸癌患者の術前のリスク評価法としてprognostic nutritional index(PNI),Modified Glasgow Prognostic Score(mGPS)を用いて手術リスク評価と予後の解析を行った.【方法】根治度Aの大腸癌手術を施行した高齢者75歳以上332例を対象とし,PNI 40以下(Low群)81例,40を超えた(High群)251例の2群およびmGPS0,1(Low群)278例,mGPS2(High群)54例に分け,臨床的因子と手術成績および全生存期間との関係について後方視的に検討した.【結果】mGPSHigh群は有意に術後合併症が高率であり,縫...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 76; no. 4; pp. 326 - 332
Main Authors 青松, 直撥, 前田, 清, 福井, 康裕, 黒田, 顕慈, 西居, 孝文, 日月, 亜紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2023
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Summary:【背景】高齢大腸癌患者の術前のリスク評価法としてprognostic nutritional index(PNI),Modified Glasgow Prognostic Score(mGPS)を用いて手術リスク評価と予後の解析を行った.【方法】根治度Aの大腸癌手術を施行した高齢者75歳以上332例を対象とし,PNI 40以下(Low群)81例,40を超えた(High群)251例の2群およびmGPS0,1(Low群)278例,mGPS2(High群)54例に分け,臨床的因子と手術成績および全生存期間との関係について後方視的に検討した.【結果】mGPSHigh群は有意に術後合併症が高率であり,縫合不全が多かった.予後の検討ではPNILow群,mGPS2群で有意に予後不良であった.PNIとmGPSは相関を認め,PNI低値かつmGPS高値が最も予後不良であり,独立した予後予測因子となった.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.76.326