疾患関連遺伝子エクソーム解析によりLMNA遺伝子変異を認めたラミノパチーの1例
自験例は,2歳頃より四肢筋力低下・筋萎縮・関節拘縮が進行した女性で,拘束性換気障害,30代より上室性及び心室性不整脈を合併し,55歳時に気管切開術,人工呼吸器装着,植込み型除細動器植込み術を施行したが,心不全が進行し,59歳で死亡した.血中CK値は正常で,針筋電図検査では,正常波形に混在して高振幅や多相性の運動単位電位を認め,強収縮では干渉は低下していたが動員は比較的保たれていた.典型的なミオパチーの所見が明らかでなく診断に苦慮したが,疾患関連遺伝子エクソーム解析により,LMNA遺伝子にヘテロ接合性ミスセンス変異p.E358Kを認め,ラミノパチーの診断に有用であった....
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Published in | 臨床神経学 Vol. 61; no. 10; pp. 663 - 670 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2021
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001610 |
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Summary: | 自験例は,2歳頃より四肢筋力低下・筋萎縮・関節拘縮が進行した女性で,拘束性換気障害,30代より上室性及び心室性不整脈を合併し,55歳時に気管切開術,人工呼吸器装着,植込み型除細動器植込み術を施行したが,心不全が進行し,59歳で死亡した.血中CK値は正常で,針筋電図検査では,正常波形に混在して高振幅や多相性の運動単位電位を認め,強収縮では干渉は低下していたが動員は比較的保たれていた.典型的なミオパチーの所見が明らかでなく診断に苦慮したが,疾患関連遺伝子エクソーム解析により,LMNA遺伝子にヘテロ接合性ミスセンス変異p.E358Kを認め,ラミノパチーの診断に有用であった. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001610 |