慢性閉塞性肺疾患の急性増悪期における早期リハビリテーション

慢性閉塞性肺疾患患者の急性増悪例に対して廃用の悪循環を断ち切るため人工呼吸器管理下からの早期リハビリテーションを実施したので,その経過と効果について検討した.症例は,86歳男性,診断名は肺気腫.肺感染症による急性増悪によって,気管切開,人工呼吸器管理が開始された.入院後,3日目より人工呼吸器装着下でのリハビリテーションを開始.入院10日目には人工呼吸器からの離脱に成功した.早期離床訓練によって座位保持能力,立位能力,座位保持時間は短期間で改善し,入院13日目には入院前の移動能力に到達した.酸素投与のない状態で入院から28日目に退院した.日常生活動作能力を低下させることなく在宅復帰できたことから...

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Published in高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 11; pp. 35 - 39
Main Authors 黒澤, 保壽, 遠藤, 慎一, 久保川, 温加
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院 31.03.2010
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ISSN1345-5648
2433-4553
DOI10.15028/kochireha.11.0_35

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Summary:慢性閉塞性肺疾患患者の急性増悪例に対して廃用の悪循環を断ち切るため人工呼吸器管理下からの早期リハビリテーションを実施したので,その経過と効果について検討した.症例は,86歳男性,診断名は肺気腫.肺感染症による急性増悪によって,気管切開,人工呼吸器管理が開始された.入院後,3日目より人工呼吸器装着下でのリハビリテーションを開始.入院10日目には人工呼吸器からの離脱に成功した.早期離床訓練によって座位保持能力,立位能力,座位保持時間は短期間で改善し,入院13日目には入院前の移動能力に到達した.酸素投与のない状態で入院から28日目に退院した.日常生活動作能力を低下させることなく在宅復帰できたことから,急性増悪例に対する人工呼吸器管理下からの早期リハビリテーションは有用なものと考えられた.
ISSN:1345-5648
2433-4553
DOI:10.15028/kochireha.11.0_35