埋め込み基礎の振動問題を対象とした明示的な地盤剛性が不要な薄層要素法と有限要素法のハイブリッド法

本論文では, 地中に埋め込まれた基礎の振動応答を得るために, 薄層要素法と有限要素法で構成されるハイブリッド法の新しい計算アルゴリズムを提案する. 改変された連立方程式を効率よく解くことが可能な修正変位法を, 従来のハイブリッド法に導入することで, 明示的な地盤剛性行列を得るために必要な, 自由地盤柔性行列の逆行列計算を回避する. この逆行列計算が従来法の計算量に対して支配的であるため, 逆行列計算を回避した提案法は劇的に計算時間を短縮できる可能性がある. 結論として, 提案法の計算量は従来法のそれ以下であり, 両者の比は, 全体系の自由度数に対する埋め込み基礎と地中構造物の自由度数の比の3乗...

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Published in日本計算工学会論文集 Vol. 2015; p. 20150005
Main Authors 坂, 敏秀, 緒方, 誠二郎, 小磯, 利博, 岩本, 賢治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本計算工学会 2015
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Summary:本論文では, 地中に埋め込まれた基礎の振動応答を得るために, 薄層要素法と有限要素法で構成されるハイブリッド法の新しい計算アルゴリズムを提案する. 改変された連立方程式を効率よく解くことが可能な修正変位法を, 従来のハイブリッド法に導入することで, 明示的な地盤剛性行列を得るために必要な, 自由地盤柔性行列の逆行列計算を回避する. この逆行列計算が従来法の計算量に対して支配的であるため, 逆行列計算を回避した提案法は劇的に計算時間を短縮できる可能性がある. 結論として, 提案法の計算量は従来法のそれ以下であり, 両者の比は, 全体系の自由度数に対する埋め込み基礎と地中構造物の自由度数の比の3乗に比例する. また, 提案法の計算精度と計算効率をいくつかの数値解析例を通じて検証している.
ISSN:1347-8826
DOI:10.11421/jsces.2015.20150005