コエンザイムQ10含有健康食品における成分含量と溶解性

現在は, 世界的な健康食品のブームの中にあるといえる. 現在, わが国での健康食品の市場規模は一般用医薬品のそれを超える1兆円以上であり, 今後ますます成長するといわれている注1). そのブームのかげで, 大量に使用されるようになった健康食品による健康被害が懸念されている. 新しく開発された食品の中には安全性の確認が出来ていないまま流通し, 健康被害が実際に発症した事例注2)や, バイアグラ(R)錠(ファイザー(株))の成分であるクエン酸シルデナフィルや食欲抑制薬であるフェンフルラミンが健康食品から検出された事例注3)もある. 一般市民におけるサプリメントの購入元は薬局, ドラッグストアが61...

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Published in医療薬学 Vol. 31; no. 7; pp. 505 - 510
Main Authors 牧野, 利明, 井関, 健, 中村, 峰夫, 野田, 敏宏, 高市, 和之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2005
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.31.505

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Summary:現在は, 世界的な健康食品のブームの中にあるといえる. 現在, わが国での健康食品の市場規模は一般用医薬品のそれを超える1兆円以上であり, 今後ますます成長するといわれている注1). そのブームのかげで, 大量に使用されるようになった健康食品による健康被害が懸念されている. 新しく開発された食品の中には安全性の確認が出来ていないまま流通し, 健康被害が実際に発症した事例注2)や, バイアグラ(R)錠(ファイザー(株))の成分であるクエン酸シルデナフィルや食欲抑制薬であるフェンフルラミンが健康食品から検出された事例注3)もある. 一般市民におけるサプリメントの購入元は薬局, ドラッグストアが61%で最も高く1), 薬剤師がその購入に立ち会い適切に指導できる環境にあるが, 薬剤師が一般消費者に健康食品を勧める際の情報は不足しているのが現状である. 現在の健康食品は, 錠剤, カプセル剤など, 医薬品と同一剤型のものが多い. 本来の食品であればその味や香りによりその素材の善悪が把握できるが, このような製剤化ではその品質は実際に服用して効果が現れるまで不明である.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.31.505