視床内側部梗塞の成因と症候に関する検討
視床内側部梗塞14例について,その成因と症候の関連をMRI, MR angiography所見も参考にして検討した.症候を起こすものは従来の報告通りMRIにおいて左側あるいは両側障害例であった.何らかの精神知的機能障害が恒常的にみられる例は14例中9例で,重症例で心原性塞栓が原因と考えられるものが多かった.精神知的機能障害軽症例,垂直眼球麻痺例,無症候例の中には低血圧や起立時血圧低下が発症の誘因と考えられる例も認められた.このような例ではMRIにて他領域に合併病変を認めず,MR angiography上でのWillis輪の形成不全(P1低形成)を伴う場合が多かった.視床内側部梗塞の成因は多彩で...
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Published in | 脳卒中 Vol. 20; no. 4; pp. 393 - 399 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
1998
日本脳卒中学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.20.393 |
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Summary: | 視床内側部梗塞14例について,その成因と症候の関連をMRI, MR angiography所見も参考にして検討した.症候を起こすものは従来の報告通りMRIにおいて左側あるいは両側障害例であった.何らかの精神知的機能障害が恒常的にみられる例は14例中9例で,重症例で心原性塞栓が原因と考えられるものが多かった.精神知的機能障害軽症例,垂直眼球麻痺例,無症候例の中には低血圧や起立時血圧低下が発症の誘因と考えられる例も認められた.このような例ではMRIにて他領域に合併病変を認めず,MR angiography上でのWillis輪の形成不全(P1低形成)を伴う場合が多かった.視床内側部梗塞の成因は多彩で,治療法も大きく異なると考えられた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.20.393 |