脳梗塞における血中von Willebrand因子活性の変動および抗血小板薬の与える影響についての検討
脳梗塞急性期から亜急性期にかけて血中のvon Willebrand因子(vW因子)活性を測定し,臨床病型による差異,重症度との関係について検討した.さらに,抗血小板薬の影響についても検討した.対象は発症48時間以内に入院した脳梗塞83例で,vW因子活性の測定は入院時および1カ月後に行った.vW因子活性は,対照群と比べ患者群において有意に高値であり,1カ月後には,入院時よりも有意に上昇した.vW因子活性の変動は,臨床病型による違いは明らかでなく,重症度とvW因子活性にも相関を認めなかった.抗血小板薬の有無・種類別の検討では,シロスタゾール投与群でvW因子活性の上昇が抑えられる可能性が示唆された....
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Published in | 脳卒中 Vol. 25; no. 2; pp. 252 - 258 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2003
日本脳卒中学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.25.252 |
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Summary: | 脳梗塞急性期から亜急性期にかけて血中のvon Willebrand因子(vW因子)活性を測定し,臨床病型による差異,重症度との関係について検討した.さらに,抗血小板薬の影響についても検討した.対象は発症48時間以内に入院した脳梗塞83例で,vW因子活性の測定は入院時および1カ月後に行った.vW因子活性は,対照群と比べ患者群において有意に高値であり,1カ月後には,入院時よりも有意に上昇した.vW因子活性の変動は,臨床病型による違いは明らかでなく,重症度とvW因子活性にも相関を認めなかった.抗血小板薬の有無・種類別の検討では,シロスタゾール投与群でvW因子活性の上昇が抑えられる可能性が示唆された.脳梗塞の急性期から亜急性期にかけてvW因子は上昇するが,病型,重症度による差異は明らかではなかった.シロスタゾールは,この上昇を抑制する可能性があり,その意義について検討していく必要がある. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.25.252 |