高速原子間力顕微鏡を用いたバクテリアの生細胞イメージング

高速原子間力顕微鏡(高速AFM)は,生体分子の構造とそのダイナミクスをナノメートルスケールの空間分解能と高い時間分解能で可視化できる.しかも,緩衝液や液体培地などの生理的溶液中で観察を行うことが可能であり,機能中の分子の動きを直接観察することができる唯一の手法である.われわれは,高速AFMを用いて,生きた細菌の外膜表層の構造を液体培地中で観察し,これまで電子顕微鏡などにより静止画像でのみ観察されてきた細菌外膜の構造とそのダイナミクスを捉えることに成功した.本稿では,高速AFMの特徴と研究成果の概略を紹介する....

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Published in化学と生物 Vol. 53; no. 5; pp. 293 - 298
Main Authors 田岡, 東, 福森, 義宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本農芸化学会 2015
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Summary:高速原子間力顕微鏡(高速AFM)は,生体分子の構造とそのダイナミクスをナノメートルスケールの空間分解能と高い時間分解能で可視化できる.しかも,緩衝液や液体培地などの生理的溶液中で観察を行うことが可能であり,機能中の分子の動きを直接観察することができる唯一の手法である.われわれは,高速AFMを用いて,生きた細菌の外膜表層の構造を液体培地中で観察し,これまで電子顕微鏡などにより静止画像でのみ観察されてきた細菌外膜の構造とそのダイナミクスを捉えることに成功した.本稿では,高速AFMの特徴と研究成果の概略を紹介する.
ISSN:0453-073X
1883-6852
DOI:10.1271/kagakutoseibutsu.53.293