Basedow病治療中に抗甲状腺ホルモン抗体の出現を認めた2症例
抗甲状腺ホルモン抗体を有したBasedow病の2例を経験したので報告する. 症例1は47歳の女性で, 20歳および30歳時にBasedow病の外科治療をうけ、その後メルカゾールの投与を受けている. 平成2年9月TSH高値, FT4高値となり, 抗甲状腺ホルモン抗体の存在を疑われた. 平成3年8月, 抗T4抗体62.2%, 抗T3抗体27-9%と陽性を示した. 一時抗T4抗体価は平成4年11月75.3%と増加した. その後平成6年2月抗T4抗体は45.9%と低下し, 抗T3抗体は陰性化した. 症例2は45歳の女性で, 平成4年9月TSH低値, FT4高値, TSHレセプター抗体陽性よりBased...
Saved in:
Published in | 医療 Vol. 49; no. 11; pp. 922 - 925 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1995
国立医療学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.49.922 |
Cover
Summary: | 抗甲状腺ホルモン抗体を有したBasedow病の2例を経験したので報告する. 症例1は47歳の女性で, 20歳および30歳時にBasedow病の外科治療をうけ、その後メルカゾールの投与を受けている. 平成2年9月TSH高値, FT4高値となり, 抗甲状腺ホルモン抗体の存在を疑われた. 平成3年8月, 抗T4抗体62.2%, 抗T3抗体27-9%と陽性を示した. 一時抗T4抗体価は平成4年11月75.3%と増加した. その後平成6年2月抗T4抗体は45.9%と低下し, 抗T3抗体は陰性化した. 症例2は45歳の女性で, 平成4年9月TSH低値, FT4高値, TSHレセプター抗体陽性よりBasedow病と診断されメルカゾールを投与された. また甲状腺左葉には, ろ胞線腫の合併を認めた. 平成5年9月TSH, FT4ともに高値となり, この時抗T4抗体56.1%と陽性, 抗T3抗体は陰性であった. 平成6年7月には抗T4抗体は21.2%まで低下した. いずれの症例もTSHと平衡透析法によるFT4の測定値との間では, 奇異な変動は示さなかった. |
---|---|
ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.49.922 |