C型慢性肝炎患者に対するインターフェロンα単独療法とリバビリン併用療法における血球変動の比較

緒言 C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法は, 約3分の1の患者に根治的な改善効果を示す画期的な治療法であるが, C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型が1型(日本においては主に1b)で, かつウイルス量が高値を示す症例に対しては治療効果の低いことが知られている1). 一方, 2001年12月にわが国において保険適用となったIFNと抗ウイルス薬リバビリン(Rib)の併用療法は, IFN単独療法に抵抗性を示す患者においても有効性が認められている2). 著者らはこれまでに, 25例のIFN難治性C型慢性肝炎患者を対象として, IFNとRibの併用療法を施行した際の副作用の発現時期や程度に...

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Published in医療薬学 Vol. 31; no. 5; pp. 337 - 343
Main Authors 高橋, 保志, 山本, 明日香, 樋口, 晶文, 唯野, 貢司, 永坂, 敦, 澤崎, 里奈子, 齊藤, 浩司, 黒澤, 隆夫, 小林, 道也, 後藤, 仁和, 岩井, 新治, 原, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2005
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.31.337

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Summary:緒言 C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法は, 約3分の1の患者に根治的な改善効果を示す画期的な治療法であるが, C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型が1型(日本においては主に1b)で, かつウイルス量が高値を示す症例に対しては治療効果の低いことが知られている1). 一方, 2001年12月にわが国において保険適用となったIFNと抗ウイルス薬リバビリン(Rib)の併用療法は, IFN単独療法に抵抗性を示す患者においても有効性が認められている2). 著者らはこれまでに, 25例のIFN難治性C型慢性肝炎患者を対象として, IFNとRibの併用療法を施行した際の副作用の発現時期や程度に関する調査を行い, 全身倦怠感により併用療法を中止せざるを得なかった患者においては投与後4週間までにヘモグロビン値が著しく低下すること, また投与後2週目におけるRibの血清中濃度測定により, この副作用発現を予測できることを報告してきた3). Ribは核酸誘導体であるためにヌクレオシドトランスポーターを介して赤血球に取り込まれ4), その結果貧血等の副作用が生じることが知られている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.31.337