C型慢性肝炎患者の腎機能に基づくリバビリンの投与設計
緒言 リバビリンはインターフェロンα-2b(IFN)との併用によりC型慢性肝炎の治療効果を向上させる有用な薬剤である. リバビリンの投与法は, 添付文書によれば「体重60kg以下の場合は600mg/日, また体重60kgを超える場合は800mg/日という2水準で, ヘモグロビン(Hb)濃度が10g/dL未満になれば200mg/日の減量, 8.5g/dL未満になれば投薬中止」および「クレアチニンクリアランス(CLcr)が50mL/分以下の場合は禁忌」となっている. しかしながら, リバビリンはその約1/3が腎排泄, 2/3が肝代謝により消失する薬物であり1-3), そのクリアランス機構から考えれ...
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Published in | 医療薬学 Vol. 30; no. 9; pp. 567 - 573 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2004
日本医療薬学会 |
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Summary: | 緒言 リバビリンはインターフェロンα-2b(IFN)との併用によりC型慢性肝炎の治療効果を向上させる有用な薬剤である. リバビリンの投与法は, 添付文書によれば「体重60kg以下の場合は600mg/日, また体重60kgを超える場合は800mg/日という2水準で, ヘモグロビン(Hb)濃度が10g/dL未満になれば200mg/日の減量, 8.5g/dL未満になれば投薬中止」および「クレアチニンクリアランス(CLcr)が50mL/分以下の場合は禁忌」となっている. しかしながら, リバビリンはその約1/3が腎排泄, 2/3が肝代謝により消失する薬物であり1-3), そのクリアランス機構から考えれば, 体重のみによる2水準の投与量設定よりも, 体重と腎機能を加味した投与量設計法がより理論的であり合理的といえる. リバビリンの抗ウイルス作用はより高濃度でより強い効果が得られることが報告されている4). 一方, リバビリンとIFNとの併用により, 赤血球や白血球およびHbの減少など血液毒性も高頻度であらわれ, 適切なリバビリン血漿中濃度の設定が要求される. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.30.567 |