インフルエンザワクチン接種後の副反応調査2003-2004シーズン

緒言 世界保健機構(WHO)は, 「2003-2004シーズンのインフルエンザ予防接種-重症急性呼吸器症候群(SARS)への配慮を含めた提言」で, SARSが医療従事者を介して医療施設内で感染するのが特徴であったことや, インフルエンザの初期症状がSARSと類似していることから, インフルエンザによる深刻な合併症を発症するリスクが高いグループだけでなく, 医療従事者にもインフルエンザワクチン接種を行うよう提唱した. これをうけ, 2003年12月5日までにインフルエンザワクチンは1,480万本が用意され, 全国の89.5%の病院がインフルエンザの予防接種を職員に勧奨した. 接種にあたり, 接種...

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Published in医療薬学 Vol. 31; no. 4; pp. 307 - 312
Main Authors 杉山, 雄司, 森, 健, 安藤, 裕明, 馬場, 研二, 林, 予志美, 長芝, 計代, 山口, 悦郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2005
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.31.307

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Summary:緒言 世界保健機構(WHO)は, 「2003-2004シーズンのインフルエンザ予防接種-重症急性呼吸器症候群(SARS)への配慮を含めた提言」で, SARSが医療従事者を介して医療施設内で感染するのが特徴であったことや, インフルエンザの初期症状がSARSと類似していることから, インフルエンザによる深刻な合併症を発症するリスクが高いグループだけでなく, 医療従事者にもインフルエンザワクチン接種を行うよう提唱した. これをうけ, 2003年12月5日までにインフルエンザワクチンは1,480万本が用意され, 全国の89.5%の病院がインフルエンザの予防接種を職員に勧奨した. 接種にあたり, 接種希望者がもっとも心配し接種を躊躇することは, 副反応であると考えられる. インフルエンザワクチンの添付文書には, 重大な副反応としてショック, アナフィラキシー様症状, 急性散在性脳脊髄炎などがまれに起こるとされ, その他の副反応の項には, 過敏症のみが0.1%未満とその頻度が記載されているが, 各症状の発生頻度は示されていない.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.31.307