ラクナ梗塞様症状で発症し血管内大細胞型B細胞リンパ腫と診断した1例

症例は,突然の左失調性片麻痺で発症した79歳男性.頭部MRI拡散強調画像で右内包後脚に高信号病変を認め,ラクナ梗塞の診断で入院した.高血圧などの脳梗塞の危険因子はなかった.微熱があり,貧血と血小板低値を認め,血清LDH,CRPが高値だった.追加検査で可溶性インターロイキン2受容体が高値であったため悪性リンパ腫を疑い,老人性血管腫からの皮膚生検で血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma,以下IVLBCLと略記)と診断した.典型的なラクナ梗塞様症状で発症したIVLBCLの症例で鑑別上重要な症例と考える....

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Published in臨床神経学 Vol. 62; no. 6; pp. 492 - 495
Main Authors 本郷, 祥子, 梅田, 麻衣子, 横田, 一樹, 梅森, 幸恵, 藤田, 信也, 土田, 拓睦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2022
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001704

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Summary:症例は,突然の左失調性片麻痺で発症した79歳男性.頭部MRI拡散強調画像で右内包後脚に高信号病変を認め,ラクナ梗塞の診断で入院した.高血圧などの脳梗塞の危険因子はなかった.微熱があり,貧血と血小板低値を認め,血清LDH,CRPが高値だった.追加検査で可溶性インターロイキン2受容体が高値であったため悪性リンパ腫を疑い,老人性血管腫からの皮膚生検で血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma,以下IVLBCLと略記)と診断した.典型的なラクナ梗塞様症状で発症したIVLBCLの症例で鑑別上重要な症例と考える.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001704