外来における検尿スクリーニングの意義と限界

近年臨床検査の発達により臨床特に内科方面における検査の比重は増しつつある. 検査自体も複雑な検査に向う一面があるが他方では従来の検査を簡易化し, より浅く, より広く検査の網を進めるという動きもある. 外来で通常行なつている検尿でも簡易法の導入により大量の検体処理が可能になつてきた. そこでわれわれは外来において検尿スクリーニングを行なつてきているが, それがどれ程の頻度で陽性率を呈するか, どれ位疾患の発見に役立つか, 特に初診医が気づかぬ疾患を発見できるかを調査した. 「対象および方法」対象は昭和40年12月より同41年10月までの間に本院内科外来(特殊外来を除く)に受診した患者5684人...

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Published in医療 Vol. 22; no. 2; pp. 162 - 165
Main Authors 柴田, 久雄, 上田, 恵子, 田島, 幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1968
医療同好会
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Summary:近年臨床検査の発達により臨床特に内科方面における検査の比重は増しつつある. 検査自体も複雑な検査に向う一面があるが他方では従来の検査を簡易化し, より浅く, より広く検査の網を進めるという動きもある. 外来で通常行なつている検尿でも簡易法の導入により大量の検体処理が可能になつてきた. そこでわれわれは外来において検尿スクリーニングを行なつてきているが, それがどれ程の頻度で陽性率を呈するか, どれ位疾患の発見に役立つか, 特に初診医が気づかぬ疾患を発見できるかを調査した. 「対象および方法」対象は昭和40年12月より同41年10月までの間に本院内科外来(特殊外来を除く)に受診した患者5684人について無選択にその初診時に検査を行なつた. 実際の来院者はこれより多いが, 検査をうけずに帰つたもの, カルテを発見できなかつたものは除外した. 検査項目は尿糖, 蛋白, ウロビリノーゲンの3つについてのみ行なつた. この陽性者710人についてカルテその他の方法により病状を追跡調査した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.22.162