進行性筋ジストロフィーにおける, 血清および尿のクレアチン, クレアチニンについて

筋原性の筋萎縮としての進行性筋ジストロフィー(Dystrophia musculorum progressiva, 以下「DMP」)は, 1884年, Erbの記載以来, その病因解明のために多くの研究がなされてきた. 1945年以前は主として病理組織学的検索が進められ, ついで電気生理学的研究が主役を演じてきたがDMPの筋肉に独特とすべき形態異常も, また原因とみなすべき神経系統の欠陥も見いだされなかった. もっとも自律神経ないし筋の栄養神経に病因ありとする説もあるが, その後この点に関する報告はなされていない. 第2次大戦後, いわゆるMyopathyにおいて生化学的検索が急速に進められ,...

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Published in医療 Vol. 20; no. 7; pp. 694 - 703
Main Authors 近藤, 文雄, 阿部, 英治, 池田, 正夫, 無江, 季次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1966
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.20.694

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Summary:筋原性の筋萎縮としての進行性筋ジストロフィー(Dystrophia musculorum progressiva, 以下「DMP」)は, 1884年, Erbの記載以来, その病因解明のために多くの研究がなされてきた. 1945年以前は主として病理組織学的検索が進められ, ついで電気生理学的研究が主役を演じてきたがDMPの筋肉に独特とすべき形態異常も, また原因とみなすべき神経系統の欠陥も見いだされなかった. もっとも自律神経ないし筋の栄養神経に病因ありとする説もあるが, その後この点に関する報告はなされていない. 第2次大戦後, いわゆるMyopathyにおいて生化学的検索が急速に進められ, その病因がMetabolic disorderによるものが次第に明らかにされてきた. たとえばForebes病は肝臓とともに心筋, 骨格筋がおかされる疾患であるが, これはAmylo-1-6-glucosidaseの欠落によるものであるし, 筋痙攣や骨格筋の限局性腫脹, さらにヘモグロビン尿の見られるMcAardle-Schmidt-Pearson氏病は筋Phosphorylaseの欠損であるといわれている.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.20.694