加工熱処理シミュレータ

軽量化の観点から, 最近, 高強度・高靱性ばね材料の開発が望まれている. 加工熱処理法 (T. M. T.) は, このような優れた機械的性質を得るための有効な手段のうちの1つである. 過去, 加工熱処理の研究は行なわれてきたが, 加熱・冷却・加工を結びつけた優れた制御方法がなかったため, その効果を充分に引出せなかった. そこで, 我々は加工熱処理のメカニズムを研究する目的で, 新しく連続多段圧縮を特徴としたコンパクトな加工熱処理シミュレータを開発した. 本装置は, 他に “鍛造焼入れ”, “焼戻し温間鍛造” などの加工熱処理法にも適用できる. 本論文は, このシミュレータの概要とT. T....

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Published inばね論文集 Vol. 1989; no. 34; pp. 44 - 52
Main Authors 綾田, 倫彦, 東野, 豊之
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本ばね学会 31.03.1989
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Summary:軽量化の観点から, 最近, 高強度・高靱性ばね材料の開発が望まれている. 加工熱処理法 (T. M. T.) は, このような優れた機械的性質を得るための有効な手段のうちの1つである. 過去, 加工熱処理の研究は行なわれてきたが, 加熱・冷却・加工を結びつけた優れた制御方法がなかったため, その効果を充分に引出せなかった. そこで, 我々は加工熱処理のメカニズムを研究する目的で, 新しく連続多段圧縮を特徴としたコンパクトな加工熱処理シミュレータを開発した. 本装置は, 他に “鍛造焼入れ”, “焼戻し温間鍛造” などの加工熱処理法にも適用できる. 本論文は, このシミュレータの概要とT. T. A., T. T. T. やオースフォーミングに関する試験例についてまとめたものである. 本装置により, ばね鋼の機械的性質を改善するための適性な加工プロセスが見出されると思われる.
ISSN:0385-6917
1348-1479
DOI:10.5346/trbane.1989.44