平行平板触媒間の物質移動

平板状触媒を平行に配列した触媒層において, 触媒と触媒の間の流路でのNH3によるNOxの還元分解反応を行わせ物質移動速度を測定した.流路におけるNOxの物質移動速度はガスの流れ方向の触媒長さによって変わり, 特に触媒長さが短い場合に従来諸家により報告されている2平板間の発達した層流に対する物質移動速度よりも大きな値を得た. このことから, 触媒の長さが短くなると触媒間でのガスの流れが, 発達した層流になっておらず, 触媒全体が流れの助走区間内にあり, そこでの物質移動が発達した層流に対するそれよりも大きくなっていることが明らかになった. 助走区間での物質移動速度に対し, 無次元物質移動係数Sh...

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Published in化学工学論文集 Vol. 6; no. 5; pp. 476 - 480
Main Authors 嵐, 紀夫, 菱沼, 孝夫, 楢戸, 清, 中島, 史登, 黒田, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 1980
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Summary:平板状触媒を平行に配列した触媒層において, 触媒と触媒の間の流路でのNH3によるNOxの還元分解反応を行わせ物質移動速度を測定した.流路におけるNOxの物質移動速度はガスの流れ方向の触媒長さによって変わり, 特に触媒長さが短い場合に従来諸家により報告されている2平板間の発達した層流に対する物質移動速度よりも大きな値を得た. このことから, 触媒の長さが短くなると触媒間でのガスの流れが, 発達した層流になっておらず, 触媒全体が流れの助走区間内にあり, そこでの物質移動が発達した層流に対するそれよりも大きくなっていることが明らかになった. 助走区間での物質移動速度に対し, 無次元物質移動係数Sh=Kf・2b/Dを無次元長さ刃= (l/2b) /Reにより整理し, 触媒長さl=0.05~0.5m, ガス流速v=10~19m/sの範囲で実験式 Sh=6.0+0.0006 (X) -1.36 を得た.ここでKfは物質移動係数, bは流路幅, bはNOの拡散係数, lは触媒長さ, Reは流路幅の2倍, 2bを代表長さにとったレイノルズ数である.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.6.476